尺八の前提

2021年08月06日

本日は【尺八の前提】について考えたいと思います。

これは「自分の技術が足りないのか」「そもそもその場所の響きが良くないのか」「楽器性能のせいでできないのか」など、どこに原因があるかを探るのに役立つと思います。この中でも今回は特に「楽器性能のせいでできないのか」に近い【尺八の前提】です。

  1. 音程によって適切な域がある
  2. 音程によって楽に出せる音量がある
  3. 【いつもの状態】ではなく【尺八用の状態】にしないと音は鳴らない

こちら3点、行ってみましょー!!

尺八の前提
尺八の前提

1、音程によって適切な息がある

逆にいえば、その音に適切な息でないと最高の音色にはなっていない、ということです。

例えば、甲のハから息を変えずにいきなり乙のロに切り替えてみてください。乙ロ単体でびしっと鳴らしている時と比べて、スカッとした音になると思います。

前述の例はとても大きな跳躍なのでわかりやすいですが、実はわかりにくいところの甲のツから甲のレだとか、ちょっとした跳躍でも最高の音にするには息の変化は必要です。

ということは、とても早いフレーズで全音綺麗に鳴らすには下記の方法が考えられます。

  • 高速で息の調整を入れて頑張ってみる
  • 1音1音は若干諦めて、フレーズが綺麗に聞こえればよしとする

この前提を知っていれば【全く同じ息で全音を良い音で鳴らす】という夢のような。それこそフルートでも難しいことを無理矢理やろうとしなくて済みます。


2、音程によって楽に出せる音量が異なる

どうしても甲のハやヒは大きめに吹いたほうが鳴りやすいです(大きめじゃないと鳴らない、ということではなく、鳴らしやすさの問題)。大甲のピの音は逆に大きくしようとすると鳴らないかピッチ爆上がりです。乙ロはふわっと小さく吹き始めたほうが鳴りやすいですし。

何が言いたいかというと、【尺八は全音均等に鳴るように出来ているものは少ない】ということです。乙ロから甲のハだとか、甲のチから乙のレだとか、大きな跳躍には工夫が必要です。そして【音程によって適切な息がある】でも触れたように『甲のツから甲のレだとか、ちょっとした跳躍にも息の変化は必要』です。

まずいきなり小さく綺麗な音を出そうと無理するのではなく、楽に大きくしっかりとした音を出してから工夫してみるといいかと思います。


3、【身体を尺八用の状態】にしないとしっかりした音は鳴らない

脱力シリーズなるものを書いていますが、結局のところ

力バリバリの状態→尺八用の状態≒いつもの状態

という脱力への道なのです。力バリバリすぎる人は最低限の尺八用の状態に持っていけるように脱力する。ほぼほぼ無駄なく尺八用の状態になっている人でも、さらに必要のなさそうな部分を脱力していつもの状態に近くする、という流れです。

かなり色々な脱力をしてきたと思いますが、結局【いつもの状態】から【尺八用の状態】への変化は必ず必要で、意識してできるようにしないといけません。【いつもの状態】でいい音が出せるのは達人か、変化に無自覚な人がそう言っているだけです。


終わりに: 結論

まとめると、

  • フレーズ全音を最高の音で均等に鳴らすには、どれかを諦めるか息の調節が必要
  • とりあえず大きく楽に出してから、工夫して小さく綺麗に出せるようにする
  • いくら脱力してようが、【尺八用の状態】にするための力は100%存在する

以上です

明日は何を書こうかな?


京都の尺八奏者ー元永泰輔(Motoshakku)


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