尺八の調(ちょう)

2021年04月14日

尺八には1尺8寸管だとか2尺2寸管だとか、長さがたくさんあります✨
指穴を全部塞いで出せる音「ロ」を昔から基準としているので、例えば1尺8寸管のロはDでD管。1尺6寸のロはEなのでE管。と呼ばれています。

しかしながら、ギターやピアノとのコラボレーションの時に「キーは何にしますか?」と聞かれて「(一尺八寸だから…)Dです!」なんて答えたら大変です。マイナーなら正解なのですが、メジャーだった場合容赦のないメリメリ地獄になるのです。

たくさんある尺八の「長さ」
たくさんある尺八の「長さ」

ではどう考えればよいか?
ここからは5孔(5個の穴がある)1尺8寸管(D管)の話です

尺八には基本的には穴が5つしかなく、工夫しなければD,F,G,A,Cの5音しか出せません。
そこで「メリ」という技を使って、残りのE♭,E,G♭,A♭,B♭,B,D♭を出すのです。
メリというのは、指穴を中途半端に開閉するか、首を下げて歌口(吹くところ)の開口面積を狭くする技です。

一応全音名が出せるのですが、メリで出してる音は尺八にとって「音量が出にくい」「音程が安定しない」「音色が変わる」音です。そして連続すると「運指が難しい」という問題が生じます。

例えばAメジャー(A,B,C♯,D,E,F#,G#)の曲をD管で吹くとすると、琴古流音名で言うと次のようになります。

「チ、リの中メリ、ロの中メリ、ロ、ツの中メリ、レの(中)メリ、チの(中)メリ」

構成音のほとんどをメリで吹くことになり、とても吹きづらいはずです。
では5孔D管で吹きやすい調はなんなのか?簡潔に言うと「メリ2つで済む調」です。ずばり言うと次の調。

1、Fメジャー/Dマイナー(♭1つ)構成音「F,G,A,B♭,C,D,E」
2、B♭メジャー/Gマイナー(♭2つ)構成音「B♭,C,D,E♭,F,G,A」
3、Cメジャー/Aマイナー(♭♯0)構成音「C,D,E,F,G,A,B」

全て、尺八の5音+リとツの(中・大)メリで演奏出来ます。1、2に関しては「古典曲にもよく使っている」のに加えて、「7孔尺八でも活躍」「メリではなくカリの方で作れる音がある」というメリットだらけなのでオススメです。3はまあできる、くらい。

ロを吹いてる時
ロを吹いてる時

いままで5孔D管のハナシをしてきましたが、では他の管で吹きやすい調を知るにはどうしたらいいでしょう?簡単な覚え方があります。

1、その管のロ音のマイナーキー(ツの中メリ、リの大メリ、で吹く場合)
1尺6寸(E管)だったらEマイナー、1尺4寸(F♯管)ならF♯マイナーです。一番わかりやすく、かつオススメ。
マイナーキーがわかればメジャーキーもわかります。Eマイナーならば、音名を3度上にしてGメジャーです。

2、その管のレ音のマイナーキー(ツの大メリ、リの大メリ、で吹く場合)
2尺(C管)ならFマイナー、1尺5寸(F管)だったらB♭マイナー。7孔はまさにこの運指です。

3、その管のチ音のマイナーキー(ツの中メリ、リの中メリ、で吹く場合)
1尺9寸(D♭管)ならA♭マイナーです。初心者で、まだメリの音が出にくい方にはこの運指が良いと思います。

こうすると、他の管でも吹きやすい調を簡単に探せます🌺


以上が簡単な「尺八の調(ちょう)」のおはなしでした🌟


このような尺八と音楽の記事も更新していきます🌸

ツの大メリじゃなくてメリ!中の時だけつけるの!とかそういうハナシがあるので「大体合ってる記事」です。音楽的には間違えないように気をつけて書きますのでご安心を🌱

次回は「5孔と7孔」について書こうと思います(^-^)v
ではまた❗️


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