尺八の音質

2021年05月20日

昨日は【尺八のダイナミクス】つまり音量についてお話ししました。本日は【尺八の音質】についてです✨

音質といっても「倍音がこうなっているから…」みたいなお話ではなく、とっても簡単に《詰まっている音》《広がっている音》の二種類をご紹介します!いつか前者もお話ししたいですけれど笑

  1. 尺八毎に標準の音質は決まっている
  2. 詰まっている音
  3. 広がっている音

こちら3点、早速行ってみましょうっ🌿

乙チを鳴らしている時の倍音
乙チを鳴らしている時の倍音

1、尺八毎に標準の音質は決まっている

「尺八は吹く人によって音色が変わる!」「あの奏者さんみたいな音が出したい!」と思っている方には「はい?」となってしまうと思いますが…

私は【尺八の音色/音質は尺八毎に決まっている】と考えています。なので

  • 尺八は吹く人によって音色が変わることはありません。人によって変わっているのは音量/ピッチ/フレーズの吹き方/開口面積×息による音色変化だけ。
  • 「あの奏者さんみたいな音」が出したければ開口面積×息を同じようにするか、同じ尺八工房の尺八を購入するか。

こういう考え方になります。

上に何度か出てきていますが、尺八の音質変化は《開口面積×息》《その尺八の構造》で主に起こります。

確かに尺八は音質変化が激しく、それが良いところではあるのですが、だからと言って「無限に音色を変えられる」わけではありません。詰まっている音が標準の尺八で広がっている音を中心に演奏してしまうとピッチが上がりっぱなしになりますし、広がっている音が標準の尺八で全体的に静かに吹こうとするとピッチを保つのに相応の工夫が必要です。

また、音楽というのは様々な要因が組み合わさって出来上がっています。なんでもかんでも音色で考えてしまうのは、言って仕舞えば「お店の売り上げを上げる会議でひたすら掃除の話をしている会社」みたいなもんです。掃除も大事ですがもっと他に、事務処理の効率化/シフト管理/接客マニュアルの変更/キャンペーンの実施/新商品の開発 とかありますよね(~_~;)

音楽も同じです。音質以外にもリズム/調/メロディ/伴奏/ビブラート/ダイナミクス/音響/録音/ミックス、色々です。

「明るい曲の時と暗い時の音色が全然違う!」それは大半が調やメロディの吹き方が原因です。「このCDのこの曲みたいな音が出ない…」それは音響/録音/ミックスが大半です。しっかり問題を分離して、1つ1つ解決して行きましょう。

...一旦まとめると、

  • 尺八の音質は《開口面積×息》《その尺八の構造》で変わる
  • 音量と同じように、その尺八毎に標準とする音質がある
  • なんでもかんでも「音色が変わっている」と思っちゃいけない

ということです。それでは、《開口面積×息》で変えられる【詰まっている音】【広がっている音】をみてみましょう🌱


2、詰まっている音

尺八プレイヤーの方ならすぐピンとくると思いますが、詰まっている音が出る時とははどういう時でしょう?

  • メリをしている時
  • 歌口に唇が近い時
  • たくさん歌口を塞いだ位置で構えた時
  • 強く吹いている時

これらが思い当たるのではないでしょうか。言ってしまえばこれらは【開口面積が狭い時】そして【開口面積に対して息の量が充分、もしくは過分】だから詰まった音になる、ということです。

しかも、上記4つは全て繋がっています。

  • 「強く吹こう」と頑張ってしまうと「唇が歌口に近づく」
  • 「歌口を塞いだ構え」で「メリ」をしてしまうとすごく音が詰まるか音が出なくなる
  • 「メリをしている時」に「強く吹こう」とするとムラ息になるか音が出なくなる

このように、何か変えようとすると必ず他の何かも変わります。自然にしていたら【なってしまう】ところを技術でカバーして演奏するのが尺八の醍醐味です。


また、音を詰めようとすると傾向として

  • 音量が小さくなる
  • ピッチが低くなる

ということを覚えておくと便利です🎵

もちろん、音を詰めて大きく吹く技もありますし、ピッチを下げずに詰まった音を出す工夫もありますのであくまで【傾向】です(^O^)/



3、広がっている音

詰まっている音の逆を行けばそのまま広がっている音になります。

  • カリをしている時
  • 歌口から唇が遠い時
  • たくさん歌口を開けた位置で構えた時
  • 弱く吹こうとしている時

【開口面積が広い時】そして【開口面積に対して息の量が少ない】この状態の時に広がった音になります。もちろんこれらも繋がっていて

  • 「弱く吹こう」と頑張ってしまうと「唇が歌口から遠ざかる」
  • 「歌口を開けた構え」で「カリ」をしてしまうとすごく音広がりすぎるか音が出なくなる
  • 「カリをしている時」に「弱く吹こう」とするとまたしても音が広がりすぎるか音が出なくなる

繰り返しになりますが、これらの【自然にしていたらなってしまう】ところを技術でカバーして演奏してみましょう💐


そして音を広げようとすると傾向として

  • 音量が大きくなる
  • ピッチが高くなる

こちらを考慮して練習してみると、ぐっと上達できる…気がします笑



終わりに

今日はちょっと集中できなくてごちゃっとしてしまいました。力づくでまとめると

  • 尺八毎に標準の音質が決まっている
  • 音質変化は《開口面積×息》で作れる
  • なんでもかんでも音色を原因にしてはダメ
  • 【詰まっている音】と【広がっている音】の傾向

こちらについてお話ししました💦

明日は【尺八のピッチ】について書こうかな?


京都の尺八奏者ー元永泰輔(Motoshakku)


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