音色を決定する要素

2021年07月29日

尺八はかなり音色を変えられる楽器ではありますが、尺八は尺八ですし、ピッチや音量とのバランスもあるので変化に限界はあります。

また、演奏する場所や楽器との距離、録音方法やミキシングでもかなり音色は変化します。「〇〇さんのCDのような音色にしたい!!」と思っている方々は要注意。自分が演奏して自分で聞いている音を無理矢理そのCDの音にしようとするのは【ほぼほぼ不可能】です。

そこで、演奏において音色に関わる要素を書き出してみます。そうすることで「このCDの録音場所は〇〇ホールで、高域の残響が強め」だとか「このCDは重ね録りでMidを強化している気がする」だとか、逆に自分が演奏するときに「幻想的な演出にしたいからディレイが強い〇〇ホールでやりたいなあ」など。自分の演奏以外の部分でも音色を選べるようになると考えます。

  1. 演奏で変える音色
  2. 楽器との距離
  3. ホール特性(残響)
  4. ミキシングの音重ね/ エフェクト
  5. 音圧とのバランス

こちら5点、行ってみましょー✨

音色を決定する要素
音色を決定する要素

1、演奏で変える音色

尺八の音質で触れていますが、【広がった音色/ こもった音色】【強い音/ 弱い音】【ざらざらな音/ 透き通った音】などを選べます。しかしながら、後述する2〜5の要素によって限界が決まります。


2、楽器との距離

自分と尺八は常に0距離ですが、聞いている人は0距離ではありません。距離が離れるほど感じ取れる音圧(dB)は下がっていきますし、距離が伸びるほど音は広がったように、弱く、透き通ったように聞こえるようになります。

逆に言えば、強い音を拾いたければマイクを近づければいいですし、綺麗な音を中心にしたければマイクを離して録音すればいい、ということにもなります。


3、ホール特性(残響)

ホール毎に【実音を隅々まで広げてくれる残響】だとか【綺麗な残響で大体透き通った感じにしてくれるホール】だとか【反射多めで幻想的な響き】だとかの特性があります。そのホールがどんな楽器編成を前提に設計されたものなのかを理解できると便利そうです。


4、ミキシングの音重ね/ エフェクト

ミキシングやエフェクト挿入によって【現実にはありえない音色】になっている場合もあります。録音ならではの面白いところ。

例えば、ずきもちの尺八はダイナミックマイクとコンデンサーマイクをonで設置して2つ録り、片方はローハイカット、もう片方はローカットで重ね、mid(尺八の音程部分)を強化しています。こうすることでシューという音を弱くして、音程の部分を多く聞かせることができます。

なぜそうするかというと

■おもいっきりonじゃないとギターを録っているのか尺八を録っているのかわからない中途半端なトラックになる

■しかしコンデンサーをおもいっきりonにするとめちゃくちゃシュー音を拾う

■実際の距離感を考えると、もう少し実音が強く、シュー音は弱いはず

■なら高域カットしたトラックを重ねて実音を強化しよう

という理由です。こうして【現実を模倣した実際にはありえない音色】が生まれます。


5、音圧とのバランス

距離の時と同じように、例えばデータ音源を再生する際、聞いている人が音量を小さくしていればどんなに激しい曲でも【優しめ】に聞こえます。どれだけ激しく強く吹いていたとしても、ホールの後ろで聞いていればかなり綺麗目に仕上がった音が届いていることでしょう。

更に、弱く小さく吹いた音は音圧が下がればより一層弱く小さくなるので、その時々/場所での曲全体のバランス感覚が重要です。


終わりに

とっちらかってても、ブログにまとめようと頑張るとなんとかなる説。これを実際の演奏やギター録りにも活かしていきたいところです。

明日は何を書こうかな?


京都の尺八奏者ー元永泰輔(Motoshakku)


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