尺八の音量

2021年04月19日

今日は尺八の音量について!
昔は内側に漆が塗っていなかったりで音量は小さめだった尺八も、今は楽器の進化・演奏技術の進化でもう少し音量が出るようになっています。しかしながら「音量」が尺八の良いところなのでしょうか?どれくらいの音量がmfなのでしょうか?今回は

  1. 私が考える尺八の適正な音量
  2. 結局はその場所・空気・曲に合っているか
  3. 音量が必要なのは何より…

この3点、お話して行こうと思います(^-^)v

スイス/ローザンヌでの演奏
スイス/ローザンヌでの演奏

1、私が考える尺八の適正な音量

私は、何もかも一括りにした話し方が苦手です。尺八と言っても5孔もあれば7孔もあり、1尺8寸や2尺5寸・1尺4寸もあります。工夫すれば解決も可能です。奏者の好みにもよります。ですがここはちょっと大雑把に。楽に吹いている時の音量の基準は

  1. メリの音量とバランスが取れるくらい
  2. テンポ♩=60で10拍を楽に吹けるくらい

これくらいだと考えています。

メリの音量に関して言えば、工夫(ここでは、メリでない音とそうでない音の音量差をカバーするという技)すればかなりの改善も可能です。しかしツの大メリはいくら頑張ったところですぐに限界が来ます。またメリでない音をバリバリ鳴らしすぎると、工夫もかなり大胆にしないといけなくなります。

そこで、「メリの音量とバランスが取れるくらい」という基準が必要になると思っています。


2、結局はその場所・空気・音楽に合っているか

これが一番重要だと考えています。例えば、お客様との距離が近く狭いお座敷での演奏で、一生懸命音量を出して吹くのは、果たして正解でしょうか?例えば、ロックバンドと組んで演奏する時、楽な音量で吹いていて良いのでしょうか?例えば、曲の激しい部分でもメリの音量とバランスが取れるくらいの音量で良いのでしょうか?

尺八は「音を出す物」ではなく「音楽をするための楽器」です。レイヤーで言えば、尺八の為に音楽があるわけではない、という階層構造です。もちろん尺八の為の音楽もありますが。音楽の為に、尺八の都合を工夫で解決していかなければいけません。

そして今や「自身の修行のための楽器」だけではいられません。「人に聞いてもらって、喜んでもらうための楽器」でもあります。もちろん、普化本曲を自身の瞑想に使っている、というのも素敵ですが✨

総じて、「尺八の都合で尺八するだけ」ではなく「尺八で音楽する」「尺八で、聞いていただく人に喜んでもらう」ために、その場所・空気・音楽に合った音量を出せる必要があると考えます。


3、音量が必要なのは何より…

最初の内は、しっかりした音を鳴らせるようになるために一生懸命音量を出すよう練習します。その練習が一番実を結ぶ場面をご紹介しましょう🌱

  • ダイナミックマイクで演奏する時
  • 録音する時

この2つの場面です。尺八の音の出どころは、空いている孔です。コンデンサーマイクを左横にして間近で録音すると、ロツの音はRから、レチリの音はLからよく聞こえます笑

ということは、ダイナミックマイクで演奏する時、一番自分の聞いている音に近い音の拾い方をするのは「口元から尺八の管尻にかけて真っ直ぐ」セッティングした時です。ロ(ろ)は随分遠くなります。

しかもダイナミックマイクは歌手をみていればわかる通り、相当近くで音を出さないと拾いません。加えて、マイクゲインを上げすぎると他の音も拾ってしまいます。

トドメに、音量をある程度出せないと実音より息の音を拾ってしまって「シュー」という音が大きく聞こえてしまいます。これは録音する時も同じです。

以上の理由から、音量が必要なのは何より「ダイナミックマイクで演奏する時」「録音する時」。この2つの場面だと思います。


終わりに

今日は尺八の音量についてお話致しました🌸
練習や本番、収録の時のお役にたてれば幸いです(^O^)/

明日は何を書こうかな?

尺八奏者ー元永泰輔


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